2021.04.20 2021.04.20
No.63 カテゴリ:システム開発,業務分析
「ミスは起きる」前提で業務を考える
業務ミスはなぜ起きるのか?
業務システム構築ばかりを行って30年経ちました。
その間、色々な会社様の色々な事務員さん達とお話をしながら業務システムを構築してきました。
皆さん真面目で、一生懸命仕事を行っておられます。
でも、やはり人間ですからミスをしてしまいます。
受注入力でのミス、出荷作業でのミス、在庫棚卸チェックでのミス。様々なミスがあります。
でも決してミスをしたくてミスをする訳ではありません。
それどころか、ミスが無いか”一生懸命チェックリストと睨めっこして”チェックしているのです。
それでもミスは発生します。
ずぼらをしている訳でもなく、それなりの経験と知識があるのにミスをします。
何故なんでしょう??
個別の理由は色々でしょうが、大きく分けて以下の理由に分類されるように思います。
ミスをしてしまう理由
理由1:時間が無い。
納期が迫っている場合や〆切前に突然注文が入った等で十分なチェックをしている時間が無い。
理由2:チェック方法が各人でバラバラ。
「何を」「どのように」チェックするかが統一されておらず、各人が自分の意識でチェックするのでチェックの質にバラつきが出る。
理由3:業務が変わっているのに同じチェックしかしていない。
「業態が変わった」「商品が増えた」等でチェック項目が増えているにも関わらず今までと同じチェックをしているのでチェックが漏れる。
理由4:情報伝達の順序が逆。
必要な情報が来るのが遅くてチェック後に変更情報が来る等。
ミスは起きるという前提で業務を考える
これらは、管理者から見ると全て「人為的なミス」に見えるのですが、個人の問題にする前に会社として出来ることも結構あります。
例えば
1)チェック時間込みで仕事の配分、人員の配分を考える
2)チェック方法を常に関係者全員で見直す
3)「何が」一番大事なチェックなのか を意識させる
4)各業務の「〆切」時間を設定する
5)業務システムとの連携を考える
等があります。
要は「ルール作り」です。
単に人員を増やせば良いという訳ではありません。
非正規の何も分らない人を増やした為に余計にミスが増えた なんて言う事も実際にあります。
時間の掛け方も工夫次第です。
「ミスはある」と言う前提で業務全体を見直す必要があります。
実は、これが業務システム構築の一番肝要な部分なのです。
田畑 幸男
株式会社スカイネット 代表取締役
日本アイ・ビー・エム株式会社のSEとして主に流通関連/医薬品関連 システム設計に従事し、その後1987年に有限会社 宙(そら)を設立。1994年に株式会社スカイネットを設立。