お客様の鍵となる企業を目指して

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 2020.10.20  2020.10.20 

No.40

業務分析-その6:
「あるべき姿」なんてね...

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すっかり秋になりました。朝晩は寒いくらいです。

コロナがまた復活しない事を祈るばかりです。

 

前回は問題点の洗い出しに関して書きました。

でも、問題点を考えるより、あるべき姿を考える方が人間は好きなようです。

「御社のシステムは何処に問題があると思いますか」という会議をしていると

途中から問題点では無く、「私は、このようにした方が良いと思っている」「こうすべきではないだろうか」と言う意見が出たりします。

 

「問題点を洗い出す」のは決して「粗探し(あら探し)」をする事では無いのですが

ややもすると、粗探しをしたり個人攻撃をしたりという事になったりします。

この言う「後ろ向きな」話し合いは嫌なので、「前向きな」意見を言う事でそれを回避しようとするのかもしれません。

 

問題点の洗い出しを「粗探し」にしない様にする方法は別途書くとしまして

今回は、「あるべき姿」とは何でしょうを書きたいと思います。

 

 

業務分析の目的は、業務の「流れ」を掴むことです(業務分析-その1をご参照下さい)。

では、業務の「あるべき姿」とは何でしょう?

 

この答えは意外と難しいです。

誰(どの部署)にとっての「あるべき姿」か?

によって答えが変わるからです。

業務を見る「角度」「観点」が違うと、何が良い業務の流れなのか? が変わってきます。

それを一個人(一部署)の意見で決めることは危険ですし、何となく「理想論」を言い合うのは時間の無駄です。

 

誤解を覚悟で言いますと、「あるべき姿」は山ほどあります。

例えば、問題点を洗い出した結果、「自社の問題点はある業務の効率が悪い事」だとなったとします。

それが全社的に共有化されたのであれば、その業務の効率化が「あるべき姿」に近づく近道です。

でも、その業務を効率化したら別の部署の業務が「あるべき姿」から遠くなるかもしれません。

(つまり、別の部署で別の問題点が発生するかもしれません)

 

こんなことを考えたら、あるべき姿を追い求めるなんて無理(夢?)なのかもしれません。

 

私はお客様の業務を分析する時に、「あるべき姿」を頭に置く事は殆どありません。

それよりは、業務全体を出来るだけ意識しながら問題となっている業務の問題点の洗い出しを行い

その問題点が会社全体、業務全体にどのような影響をもたらすか を考えるようにしています。

 

業務分析は客観的に業務を「見て」、客観的事実から業務の流れを掴む事です。

その結果で業務を改善して、「あるべき姿」が少しでも見えてきたら、それで十分だと思っています。

山の頂上に着いた と思ったら別の頂上が見えるのですから。

 

 

 

次回は、業務分析-その7:業務フロー どうやって書きましょう...  です。

 

 

 

田畑 幸男

株式会社スカイネット 代表取締役

日本アイ・ビー・エム株式会社のSEとして主に流通関連/医薬品関連 システム設計に従事し、その後1987年に有限会社 宙(そら)を設立。1994年に株式会社スカイネットを設立。