2020.11.17 2020.11.17
No.43
そこ、手伝ってもらえる?
また、感染者が増えだしました。
だからと言って、また自粛では経済が持たないのでしょうし...
政治と経済がこんなに緊密に連携しないといけない世の中は戦争時を除くと珍しいのではないでしょうか。
コロナ前から人件費削減は企業の重要課題です。
単に人を減らせばよい と言う訳でも無いですが、どうしても社内の正社員の絶対量が減ってきています。
その中で ”専門的な技術・知識を持っている人をどうするか” と言うのは悩ましいです。
情報システム系の社員に関しても例外では無く、この20年で企業内システム開発者・担当者は減りました。
一昔前は、中堅・中小企業でも情報システム部(課)を持っており、専門家(プロ、半プロレベル)の人達が正社員として居ました。
時間とともに部署が縮小されて、開発はアウトソース(要は外注)、要件はユーザー部門自体が作成 と言う感じになってきました。
自社開発が無くなってきて、(狭い意味での)開発者が自社内に居なくなるのは仕方がないとしても、要件を整理して、システム開発をする外注先と折衝する人がユーザー部門の人になり、本業の傍らシステム設計の担当をしている と言うのは色々課題を孕んでいます。
一方で、システム自体は増々複雑化して、他社システムとの連携、Webサイトとの連携、セキュリティの強化 云々と考えるべき事は増えてきています。
開発企業の専門家ですら、開発手法、開発言語、ネットワーク知識、業務知識、セキュリティ等々を全て網羅して分かっている人は少なくなってきています。
どうしても分業になってきます。
特に「業務知識」。
ネットワークや言語等は教科書を読んで勉強すれば何とかなりますが、業務の知識を習得するには結構時間が掛かります。
業務知識があやふやだと、ユーザー部門の方と話をしてもトンチンカンなことになってしまいます。
先ほど書いたように、以前は自社内のシステム部門の人がユーザー部門と開発会社の間に入って情報伝達・意思疎通・調整をしていたのですが今は直でユーザー部門と話をするケースが多いです。
ユーザー部門の方は(当然ですが)システム開発手法を知りません。
また、システム開発会社の人はその会社の内部事情を知りません(知り得ません)。
そこに来て、システム会社の人間の業務知識が乏しいとなると、違う国の人が違う言葉で話しをしているような状態になってしまいます。
”必要な人件費を減らすとこうなる”という典型例だと私は思っています。
愚痴を言っていても仕方が無いので、ではどうするか?を真剣に考えないといけない状況に来ているのだと思います。
そうでないと、業務システムが劣化・陳腐化してリニューアルしたくても出来ない と言う事になってしまいます。
私自身はパッケージの有効活用が一番良いと思っていますが、日本企業のサービスレベルが高すぎてどうしてもパッケージに馴染めない企業が多いのも事実です。
そうなると残る手は、今までの「自社内システム担当者」の機能をアウトソースするしかありません。
システム要件の作成~開発業者との折衝等の部分を必要な時に外注する と言う事です。
「そこを手伝って貰える」を気軽に言える会社を見つける事が肝要です。
次回は、「業務を止めるな!」 です。
田畑 幸男
株式会社スカイネット 代表取締役
日本アイ・ビー・エム株式会社のSEとして主に流通関連/医薬品関連 システム設計に従事し、その後1987年に有限会社 宙(そら)を設立。1994年に株式会社スカイネットを設立。