2020.10.06 2020.10.06
No.38
業務分析-その4:
分析・整理の最初は単純な事から
業務分析は半年でできれば上出来
”業務分析をしましょう” と言うと、「うちの会社では難しいよね」「人が居ないし」と言う答えがよく返ってきます。
難しく考えすぎです。
短時間(数日~数週間)で、それなりのドキュメントを作成となると人員が必要ですし、それなりの技術(分析技術)も必要となります。
もう少し時間に余裕をもたせて、そうですね6ヶ月程度の時間を目処に行うのであれば現有戦力で出来ると思います。
「えっ、半年もかかるの」と思った方は、今まで出来ていなかった事が半年で出来れば上出来だと考えた方が良いです。
まず業務分析の担当者を選出する
まず最初のステップは、担当者の選出です。
業務分析を正しく行うには、担当者が大事です。
業務毎に1人選出するので、全体では数人になるはずです。
例えば、受注・出荷処理で1人、仕入関連で1人、在庫管理で1人 等。
選出するにあたり必要な条件は、
人選に必要な3条件
(1)担当する業務に精通している。もしくは精通している人と正確なコミュニケーションが取れる人
→自分の知らない事を無視する人・軽視する人はダメです。
全てを知っている人はいないので、同僚・部下(時には業者)を上手く使って情報を収集できる人が良いです。
肩書はあまり関係ありません。部長だから良いとは限りません。
肩書よりも現場の仕事を知っているかが大事です。
(2)業務への批判では無く、正確に情報を扱える人
→時々、自分の意見(批判)をこの時ばかりと入れてくる人がいますが、これは最悪です。業務の無駄や悪い点を洗い出す事と批判は違います。
声が大きい人もあまりお薦め出来ません。
(3)少しづつで良いので、整理しながら進むことが出来る人
→あれもこれも詰め込んで、進めなくなる人が居ます。
巨大な業務処理も少しづつ小さな単位で整理していけば、意外と早く分析・整理出来ます。
これらの担当者を束ねるリーダーが居るのが理想ですが、もし居なければ権力(決裁権)を持っている人がなるのが良いです。
そうでないと意見がぶつかった時に「決まらなく」なります。
また選出自体は、やはり決裁権を持っている方に選出してもらう事になると思います。
人事管理がそれなりに出来ている会社は人事担当者に任せても良いでしょう。
そして選出された人たちで「業務分析プロジェクト・チーム」を作ります。
次に現状の問題点を洗い出す
人員の選出を数日間で行ったら、最初にする作業は各担当者に、現場に意見取集をさせて現状の問題点を羅列させます。
出来るだけ担当者や会社の意図を入れず、単純に現場が「困っている事」「時間が掛かっている事」を箇条書きにして貰います。
これにそんなに時間をかけても仕方がないので、1週間~10日程度で些細な事や根本的な事まで玉石混淆で書き出させます。
この時にとっても大事な事は、「こんな事を書いてはダメ」と言ってはいけません。
どのような事でも現場の方に書いてもらいます。
書き出せたら持ち寄ってプロジェクト全体で「見ます」。
勝手に担当者が取捨選択してはいけません。
さて、ここから何をしましょう。
次回は、「業務分析-その5:傍目八目(おかめ‐はちもく)」 です。
田畑 幸男
株式会社スカイネット 代表取締役
日本アイ・ビー・エム株式会社のSEとして主に流通関連/医薬品関連 システム設計に従事し、その後1987年に有限会社 宙(そら)を設立。1994年に株式会社スカイネットを設立。