2020.01.14 2020.01.14
No.06
システム設計・
開発の工夫について【その2】
どの工程で工数節約をするべきか
今回は、システム設計・開発の工夫について【その2】です。
開発作業の内訳は、前回の記事にも記述したとおり下記の5段階です。
①要件・仕様を定義する為の打ち合わせ作業
②画面・帳票やデータベースなどの設計作業
③プログラム開発・テスト作業
④システムテスト作業
⑤システム稼働前準備(マニュアルや最終ドキュメント作り等)
この中で、工数(つまりは費用)を節約する為に工夫出来る部分ですが、
時間を掛けないで済ませがちなのは①や②の設計部分です。
③プログラム開発・テスト作業の時間を削りたくないので、①②は極力当初のスケジュール通りに行きたいのです。
でも、当初のスケジュールが元々短かったら?
「こうして欲しい」「わかりました」の一往復で済ませがちです。
時間(工数)は節約出来るのですが、"本当に客先の要望に沿っているか?" が怪しくなります。
③プログラム開発・テスト作業の終了段階や、下手をすると④システムテスト作業の段階で「こうなっていると思っていた」と言われて、開発の世界で言う所の「手戻り」になってしまいます。
こうなると、後手後手に廻ってしまい納期は迫って来るわ、客先の要望は変わって来るわ で大変なことになります。
大切なのは初期段階
開発で一番やってはいけないのは「手戻り」です。
でも、ユーザー部門が担当の場合、実際に『 "見て" "触って" みないと良く分からない』という感じが多いです。
そうなると、最初から「ふわふわ」した感じの仕様となり、「手戻り前提」のような開発になりかねません。
そうならないように、私は①②の仕様作成・設計段階で出来るだけ時間を掛けて、技術的な方法論よりも客先のイメージを資料にして、すり合わせるようにしています。
③プログラム開発・テスト作業は、システム会社の努力で時間を短縮する事は出来ます。
客先の要望に沿ったものを作成していれば、④⑤の時間を客先と一緒に軽減する事も可能です。
要は設計の「質」だと思っています。
もう一つ工夫出来る所があります。
システム会社の作成するマニュアルって要りますか?
次回は、
システム設計・開発の工夫について
【その3】です。
田畑 幸男
株式会社スカイネット 代表取締役
日本アイ・ビー・エム株式会社のSEとして主に流通関連/医薬品関連 システム設計に従事し、その後1987年に有限会社 宙(そら)を設立。1994年に株式会社スカイネットを設立。