2019.12.23 2019.12.23
No.03
技術者の
ジレンマ
時間との闘い
今回は、"技術者のジレンマ"です。
おそらくどの分野の技術者も常に不安や悩みを抱えていると思いますが、システム開発の技術者は、さらに「時間」との闘いをさせられています。
例えば「年齢」。
一昔前に、"システム開発従事者(システムズ・エンジニア)の30歳定年説"などという言葉がこの世界で流行りました。これは、以下の事が前提にあります。
1つ目は、開発手法(開発に関わる技術)の進化が速すぎる事です。
大雑把に言うと、5年以上前の技術は使い物にならない可能性があります。
2つ目は、体力の問題です。
"徹夜や休日出勤が当たり前" という世界だったので、どうしても若い方が有利です。
技術者は常に勉強をしなくてはいけません。
でも勉強だけしていたのでは、自分の技術をお金に換えることが出来ません。
自分の今持っている技術をお金に換え、それと並行して新しい技術を習得する。
これが理想なのですが。
2つ目の問題が、そこに立ちはだかります。
どうしても納期に縛られる仕事なので、納期が迫った仕事はどうしても時間を使って補う(つまり徹夜する)という事になりがちです。
そうなると、勉強なんて言ってられません。
技術者は真面目で正直な人が多いです。なかなか手を抜こうとはしません。
その結果、年を取ると「使い物にならない」技術者扱いされる人が増えるのも事実です。
勉強するには(技術者として進化するには)時間が必要。
でも時間が過ぎると年だけ取ってしまう...
これがシステム技術者のジレンマです。
ジレンマに
陥らない工夫
私は、それを何とかしたくて弊社では10年前から下請け(や孫請け)を止めました。
元請けであればお客様と一緒に、納期や内容をお互い納得いくまで交渉出来ます。
費用を抑える工夫や、必要な物を必要な時期に納める工夫も出来ます。
その甲斐あって、弊社の技術者は徹夜はしていませんし、土日完全週休2日です。
徹夜どころか、平日の残業も驚くほど少ないです。
システム開発は、(ボケなければ)年を取っても出来る仕事だと本当に思っていますので、今後も技術者がジレンマに陥らないようにしていきたいと思っています。
次回は、
「システム開発者の頭の中」です。
田畑 幸男
株式会社スカイネット 代表取締役
日本アイ・ビー・エム株式会社のSEとして主に流通関連/医薬品関連 システム設計に従事し、その後1987年に有限会社 宙(そら)を設立。1994年に株式会社スカイネットを設立。